田山幸憲さんは、日本を代表するパチプロであり、またその独特な視点と文章力で多くの読者を魅了した作家でもあります。1946年10月3日に東京都で生まれ、東京大学に入学するものの、紛争などの影響で中退。後にパチンコの世界へと足を踏み入れます。この一歩が彼の人生を大きく変えるものでした。
田山さんは1973年、26歳で本格的なパチプロ生活をスタートさせました。それ以前からプロの集団と接触し、そこで技術を磨き、独自の戦略を編み出しました。同時に彼の文章力が注目され、1976年にはライターとしてデビュー。夕刊紙に連載されたルポが好評を博し、パチンコに関するコラムや書籍の執筆に発展しました。
中でも「パチプロ日記」は彼の代表作として知られています。この連載は1989年からスタートし、長期間にわたって多くのファンを魅了しました。日記ではパチプロとしての葛藤や勝負の世界のリアル、日常生活の一コマが描かれており、単なるギャンブル記録を超えた「人生の記録」として評価されています。田山さんは「パチンコは遊び」としつつも、そこにプロとしての哲学やルールを見出し、独特な切り口で書き記しました。
1995年、彼は舌がんと診断され、その後の闘病生活も記録されています。特に再発後も執筆活動を続けるその姿勢には、多くの人々が感銘を受けました。そして2001年7月4日、東京大学病院でその生涯を閉じるまで、彼は54年の人生を全力で生き抜きました。その死後も彼の作品や言葉は語り継がれ、多くの人々にとっての学びとインスピレーションとなっています。
田山さんの生き方は、パチンコという枠を超えて、自分らしさを大切にしながら人生と向き合うことの大切さを教えてくれるものです。